雪のことかよ。
東京に出てきてもう20年経っちゃったけど、雪が降り始めると「うえーめんどくさい」としか思えないのは、私が結構長いあいだ札幌で暮らしていた名残ですね。
首都圏出身の同僚とかは、交通網とかもろもろ不便になるのも含めて「ちょっとくらい降ると新鮮で楽しい」的にワクワクしてるんだけど、そのリアクションの差が面白い。
そういえば私が好きな穂村弘の短歌に、
体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
というのがあるんだけど…普通に読むと、「雪のことかよ」とぶっきらぼうに言い捨ててるけど彼女の様子が愛しくてたまらん!というツンデレ気味な恋愛の風景なんだけど、調べてみたら、これを詠んだ穂村さんは、札幌で生まれ…少年時代は神奈川県や愛知県にいたみたいだけど、北大に進学してる(途中で上智に入り直してるけれども)! というわけで、若干の雪国経験有りなんですね。それを重ねると、彼女が、自分が熱出してるのに雪がふるほど寒いことにはしゃいでる姿を見て「雪のことかよ」(これだから雪がいっぱい降るところを知らない人は…)的な、甘いんだけど、彼女と自分の育ってきた環境の違いに思いを馳せてるのかなーという深読みも成立する気がします。
ちなみにモテさん(神奈川生まれ東京在住)は、雨や雪は億劫がりますが、雷とか激しすぎない台風はちょっとときめくみたいです。